• 2005年06月11日 (土)

Night Lights

「ナイトライツ」自分がjazzを聞き始めたのはもう十年以上昔のことだけど、その頃はjazzに関して今ほど何でもありな雰囲気は、当時のjazzを聴くシーンにはなかったような気がする。だからjazzといえばまず教科書的にその頃のjazz選集のような本を買っては、人気が高いとされるアルバムから聴くのが割と一般的だった。ただやはりそういった買い方をするうちに、段々自分の好みも出てくるもので、自分の場合は、分かりやすい、聞きやすいのをそのうち遠ざけるようになっていた。今思えば恥ずかしい限りではあるけれど、難しいイコールjazzだと思っていたのだと思う。


その頃大学で知り合った友人の中にKいう人物がいた。Kは何でも良く知っていて、誰の目からみても趣味も良かった。ある日、Kと話をしていたら、たまたまjazzの話になった。最近は何を聞いているかと訊ねられたので、確か自分はズート・シムズを聴いていると答えたと思う。そうするとKはあまり興味がなさそうだったので、それではKは何を聞いているんだと訊ね返すと、Kは極々普通にジェリー・マリガンの「ナイト・ライツ」を聴いていると答えた。因みにKはjazzばかりを聴いていたわけではなく、jazzはあくまでも自分の好きな音楽の一つに過ぎなかった。


それでもこの返答を聞き、少し驚いたのを憶えてる。なぜなら「ナイト・ライツ」はその当時、数多いjazzアルバムの中でも常に人気はあったのだが、いわゆる分かりやすいとされるアルバムで、頭でっかちの当時の自分は多少なりとも否定する気持ちすらあったからだ。ましてやKのことだから、きっとあまり名の通っていない通好みのアーティストを言うのだと予想していたところもあった。
その後もKとは時々、音楽の話や映画、街の話などもしたが、やはりいつでもKの話は面白く、話題に上る物はいつでも魅力的だった。そうしたこともあって、時々、中古レコード屋を巡った折、このアルバムに手を伸ばしたこともあったのだが、なかな買うまでにはいたらず其の時のことを思い出しては置いてあったレコード棚の中に戻した。


先日、久しぶりに近所のビデオレンタル屋に行ったのだが、目当てのビデオが借りられていたので、CDコーナーを覗いていたら、「ナイト・ライツ」が目にとまった。其の時、今日聴かなかったらもうずっと聴く機会はないかもと思い、借りてかえることにした。


このアルバムは本当に有名であり、色んな人が色んなところで薦めたりもしているので、敢えて感想みたいなものは書かなくてもいいと思うけど、一番感慨深かったこと、


Kはやはり趣味がよかった。

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